『ドン・キホーテ』を読んでいる。
といっても岩波文庫全六巻のうち一冊目を読み終わっただけだが…。
ラノベを大量に読みすぎて完全にバーチャル脳に侵されてしまったオタクが「オレはスーパーヒーローだ~」とか言って各地でムチャクチャする話。
風車を巨人と思い込んで…というよく聞く話は序盤の方にちょっと出てくるだけで、メインの話でもなんでもなかった。
「こいつが狂ったのはこの大量のラノベコレクションのせいだ」と考えた友人たちが、主人公の長年にわたって収集してきた稀覯本の数々を次々に火にくべていく(そしてときどき掘り出し物をこっそり着服していく)シーンが圧巻!
当時のスペインは、今のアメリカと同じで、無敵艦隊が破れるなど、そろそろ落日ではあったものの、まだまだ世界の覇権を握っていて、サブカルも華やかで、エンタメ系も充実していて、胸キュンとかバトル物とかめっちゃたくさんあったので、読みすぎて頭おかしくなる人が出てきても不思議はないのであった。
主人公の本名はキハーダ。ドン・キホーテというのは自分で考えた。愛馬ロシナンテ、自らが忠誠を捧げる美姫ドゥルシネーア(ホントはアルドンサという近所の百姓娘)なども自分で考えた。キャラのネーミングはめっちゃ大事なので、頭を振り絞ってカッコいい響きの名前を考えたのである。
ドン・キホーテは地方の封建領主なので引きこもってラノベを読み耽っても飢え死にしないだけの金はあった。気がふれて遍歴の騎士となって各地をほっつき歩くこともできた。馬を一頭持ってたし、甲冑や武具でコスプレする余裕もあった。その点は重要であると思う。