こちら(↓)は、はてなブログからのメールで紹介されていた記事。話題になっている記事ということなのだろう。
自分が一生体験できるはずのないことを詳細にレポートしてくれてありがたかった。
これを読んではっきりしたのは、飛行機のファーストクラスとやらは、まったく大したことはない、ということである。
少なくとも40万円という対価に見合ったサービスはしていないのは間違いない。座席などが多少ゆったりしてるとか、機内食なども、それなりに良いものが出てくるとか、執事風の人が接客したりとかいった、取るに足りないサービスで精一杯塗り固めているだけで、工夫の中途半端さに、むしろショボさすら感じさせるほどだ。もともとA地点からB地点まで移動するだけのサービスなので、やれることなど高がしれている、とも言える。
これはブランドものなどの顕示的消費と同様の、実体的な価値とは別次元の何かにカネを払っている、ということなのだろう。
連想したのは料理の値段のことだ。
これも実体的基盤がアヤシイといえばアヤシイものの一つで、世の中には何十万円もする高級フルコースもあるやに聞くが、十万円のフルコースが一万円のコースの10倍旨い、などということは考えられないので、これもまあ意味不明の何かにカネを払っているのだろう。世の中には使い道に困るほどカネが有り余っている人もいるらしいので、そういう人は、そういうところに、じゃんじゃんカネを捨ててポトラッチに励んでいただきたい、とあらためて思うのであった。
外食などで、実態に見合った料金というのはどれぐらいなのだろう。
せいぜい五千円ぐらいじゃないのか。それ以上の値段の料理になると、さして変わらないんじゃないか。
むかし、(今もあるのか?)ダウンタウンの浜田が司会をする、食材の良し悪しを判定するというバラエティ番組があった。高級食材と、スーパーで売ってるような安価な食材とを並べて、どっちがホンモノかを当てる、というもので、食通を自認するセレブなタレントが、けっこうハズしまくる、というのが番組の目玉であったように思う。
さらに思い出すのは『もやしもん』の何巻目かの巻末エッセイで、一流のソムリエであっても、全く情報を伏せたブラインド・テイスティングというのをすると、思いっきりハズしまくる、という話もあった。一流ソムリエたちが、ふだん小バカにしているアメリカのカリフォルニアワインなどが評価の上位に来たりするらしい。
なるほど、そういうもんなのか…。
もちろん高級品には、それなりに手間も費用もかかっているのだろう。しかし、かけた手間が、製品の効用に正確に反映されるかどうかは別問題だ。手間のわりに大して変わらん、ということも往々にしてあるだろう。
こういう話には心温まるものがあるなあ。貧乏人ならではの庶民的感想ではあるが。